2018-01-01から1年間の記事一覧

スローラーナー

トマス・ピンチョンの「スローラーナー」を読んだ。とても楽しく。 実を言うと、高校の頃、ちくま文庫版を購入したものの、確か「ロウランド」まで読んでやめたのだ。「つまんねえ!」 それが齢40を超えて、ようやく楽しめるようになったようだ。 「スモール…

ハーゲンダッツ スイートポテトタルト

発酵バターと卵でコクを出したスイートポテトアイスに、鳴門金時と安納芋のペースト。グラハムクッキーのサクッとした食感がアクセントになって、やはりハーゲン、満足感が違う。

かぐや姫の物語

映像表現が美しい。筆で描かれたような描線に淡い色調。生き生きとした動き。アニメーション表現として新しく、斬新だと思う。 しかし、長い。 美しい映像表現の感動は30分ほどで見慣れ、薄れて行く。それを補完するほどの物語への没入感が自分には得られな…

この世界の片隅に

映像が素晴らしい。書き込みがすごく、時代考証がしっかりなされているから、まるで戦中の広島に入り込んだかのような錯覚さえ覚える。こんなレベルのアニメは久しぶりに見た。 一方、ストーリーはやや平凡に思えた。戦争に蹂躙される一般市民という、これま…

MASTERキートン

MASTERキートンを読む。高校以来の再読なのだが、素晴らしい漫画だ。再読に耐えうる漫画であり、大人になってからでも楽しめる漫画。というか、いまの方がよっぽど良さがわかるのかもしれない。 高校以降、僕は小説ばかり読むようになった。なんだか漫画を読…

飲食店の咳

飲食店に入る。カウンターとテーブルだけの小さな店だ。 注文をし、スマホなどをいじって食事が出てくるのを待っていると、カウンター奥で、激しく咳き込む音がする。見ると、料理人から発せられる音だ。料理人はマスクもしていない。 こういう場面に遭遇す…

失われた時を求めて

岩波から刊行中の「失われた時を求めて」を読んでいる。20世紀最高の文学と言われることも多いが、それは確かに本当だと思う。 この小説は、まず少年の日々から始まる。コンブレーでの少年の日々。周囲の風景がどんなだったか、家族の者たちがどんなだったか…