スローラーナー

トマス・ピンチョンの「スローラーナー」を読んだ。とても楽しく。

 

実を言うと、高校の頃、ちくま文庫版を購入したものの、確か「ロウランド」まで読んでやめたのだ。「つまんねえ!」

 

それが齢40を超えて、ようやく楽しめるようになったようだ。

 

「スモールレイン」と「ロウランド」のあのミニマリズム。テロリストごっこをする少年たちをみずみずしく描いた「シークレット・インテグレーション」。スパイもの「アンダー・ザ・ローズ」だけは退屈だったが、それ以外はとても面白い。比較的わかりやすい小説群だし。

 

ピンチョンは前書きで、ほぼ全ての短編にダメ出しをしているのだが、それでも出版したのだから、何だかんだで悪く思ってないのだろう。

 

次はヴァインランドを読んでみようかな。